組織化するなかで削られたり伸ばされたりする制作者のボクら

こんにちは。モデレーターのあくやんです。
モデレーターのリレーブログもちょっととまっていましたが、またボチボチ再開していければなと。


最近デザイナーの在り方についてのエントリーが多いので、今回はそれにのっかって、自分の思うところを書いてみたいと思います。
ちょっとアンニュイな歌詞っぽいタイトルになってしまいましたが、特に深い意味はないです。


自分が制作の仕事につこうとしたとき「デザイナー」になろうと思っていました。
10年前、自分がWebの世界に入った頃から「デザイナーはデザインができるだけじゃダメだ!」と言われたりしていました。
素直だった10年前の自分は「そうか、デザインだけじゃダメなのか!」と思って、なんだか色々がんばったりもしてきました。


そしてなんだかんだで体験したこれまでの制作の現場で感じたことは「デザインできるだけじゃダメ」というのは大きく語弊があるなということです。


0828.jpg

もう近頃は思いついたらWebサービスやアプリがサクッとできてしまうくらい、色んな手段が確立されてきたし、制作できる人も増えてきたから「何か足りなくてもなんとかなっちゃう」ことが多くなってきましたよね。


自社サービスでプロデューサー、ディレクター、デザイナー、フロントエンジニア、ミドルエンジニア、インフラ、カスタマーサービス...なんてメンバーを全員そろえなくても、企画する人と作る人が1人ずついれば事足りてしまう。
受託制作で、PM、ディレクター、デザイナー、フロントエンジニア...などなどそろっていなくても、もうフリーランスで1人で最初から最後まで作りきれてしまう。


そんなある種の環境がそろってきたからこそ「もしかしてだけどもうデザイナーとかいらないんじゃないの?」という発想が出てくるのは自然な流れではないかなと。だっていなくてもなんとかなっちゃうんだし!


ただここで1つ気にしておきたいのは「なんとかなっちゃう」レベルですましていい段階なのかどうなのか、というところです。


実は世の中の大部分は「なんとかなっちゃう」もので全然もうばっちりってことが多いですし、またなんとかしちゃったレベルがすんごいハイレベルな場合もあるので、その場にいる人でなんとかしちゃうのが悪いという話ではありません。
特にスピードの求められる案件では、そんな細かいところを気にするよりも「外に出すのが最優先!」なこともたくさんあると思います。


なので考えるポイントは、

1.今がどういうフェーズで何を目指すのか
2.その目標のために今何をやろうとしているのか
3.それはどこに比重を置いて作業を進めるとよいのか

という3つかな、と。


Webサービスやアプリの改修、サイトのリニューアルをするときというのは「何かしら思うところがあって」変えたりするものですよね。
その「思うところ」を実現しようとしたときに、限られた時間の中で最大限にいいものを作ろうとしたら1人で何役もこなすより、専任の人それぞれが最大限に実力を発揮して、それをとりまとめる人がいて、そうして次の段階へ進んでいくのではないでしょうか。少なくとも自分自身は、そのパターンに遭遇することが多かったように思います。


『初期段階は最小人数で始めてなんとかやってきたけど、よりよいものを作るのにデザインをデザイナーに頼みたい。』

『そうしてよりよいものを追い求める中で人が増えてきたので、ディレクションをお願いしたい。』


そんな風になるくらいなら最初から専任の人に頼めばいいじゃん!とツッコミが入りそうですが、それはやっぱりフェーズの問題で「今どこに比重を置くのか」によってコストをかける部分が変わってくるからこそ、"今"は「デザイナーいらない」けど、"今"は「デザイン専任の人がほしい」となるのではないでしょうか。
組織化する中で制作スキルを持つ人に求められる役割が変わっていく、ということを頭にいれて「自分はどういうときにどういう形でコミットできるのか」を明確にしておくのが、制作を仕事にする人の課題なのではないかと思います。


ちなみに自分は飲み会のセッティングは得意なので、打ち上げ間近にアサインしていただくのをおすすめします。

前へ

「日本のソーシャルネットワーク10年(WebSig分科会2014 vol.2)」終了報告&レポート

次へ

WebSig24/7 10周年記念イベント開催!「Webの10年とこれから」