「納品」をなくせばうまくいく

こんにちは、WebSigモデレータのえふしんです。
今年の3月に開催した34回目のWebSig会議「Webディレクター必見!プロジェクトを成功に導く、オンラインツール活用トラノマキ2014」に登壇していただいた、ソニックガーデンの倉貫社長の本が出ていました。もう皆さん読まれましたか!?

「納品」をなくせばうまくいく~ソフトウェア業界の"常識"を変えるビジネスモデル
納品書影

受託のビジネスに関わっている方々であれば、納品をゴールとした仕事のやり方がスタンダードですよね。つまり、見積りをして、設計をして、制作、開発をするんだけど、途中で仕様が増えたり減ったり。まぁ、ほとんどは仕様が増えていきますよね。たまに、とてつもない変更が入って、当初の見積もりを超えるお客さんの夢が入ってしまって、どうやって収拾をつけようか!とか。

頑張ってお互いのコンセンサスを取り、落とし所が見つかる分には良いのですが、たまに言った言わないであったり、今更言えないという状況に陥って、いわゆる「デスマーチ」のような状態になってしまうこともあります。特にN次請負になってしまって、上流の会社より先とはコミュニケーションが取れないケースなんかですと、伝言ゲームのコミュニケーションロスが起きたり、顔の見えない無茶な要望に対峙すると、仕事だとわかっていても、やる気もなくなってしまいますよね。

そういう仕事の仕方をしていて、ふと、「あれ、Webを作ることってもっと面白い仕事じゃなかったっけ!?」などと思ってしまったら、改善の糸口を探すために、是非本書を読んでみることをオススメします。

倉貫社長は、元々、一部上場企業のSIerさん出身で、大企業のSIerビジネスに疑問を持ったところからの独立、起業ということで、本書にも書かれている問題意識は、基本的には大規模SIの方にあると思っています。

東京、地方に関わらず中小企業や個人に近いお客さんを抱えているWeb制作者の人たちは、もしかしたら、事情が少し違うかもしれません。違うというか、「同じことをもうやってるよ!」というのが近いのかもしれません。しかし、アジャイル的な視点であったり、納品がゴールではないエンドレスな成長を前提とした継続課金のビジネスモデルにコミットされていること自体は間違いなく新鮮な話であり、今後のロールモデルになる受託ビジネスの1つの形ではないかと思います。

特に「リリースしてからスタートです」と考えるWebサイトの運営には共通点が多いハズで、そういう部分を意識しながら、ビジネス視点で本書を読むと学ぶべきポイントが沢山見つかるのではないでしょうか!?

なお、WebSigとしましては、倉貫さんが本を出してからイベントに登壇していただくのではなく、WebSigイベントに出ていただいた後に、このような本が出るという流れはすごく嬉しい話であり、タイミングも含めて、ある種の選択眼が間違ってなかったという現れだと自負しております。

もちろん倉貫さんを始め、お越しいただく登壇者の方々は、既に注目されていて、実績のある方ばかりですが、場合によってはWebSigに登壇いただいたことが、いろんなメディアやイベントに出るきっかけだったと言っていただくこともあります。

今後も常に世間の目よりも少し先物買いしているイメージをしながら、我々モデレータが抱く問題意識を言葉にしていただける方に登壇いただきたいと思っております。また、WebSigのイベントにお越しいただく参加者の方も、強い問題意識やアーリーアダプターの視点があればこそご興味を持っていただいているのではないか!?と思っております。そういうご期待がある(ハズだ)ということを意識しながら、今後もイベント設計をしていきたいと思っています。

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