タイトルは思いつかない。

モデレーターの安藤です。なんとなく最近考えていることをリレーブログとして書いておきたいと思います。

もはや死語となった「eビジネス」黎明期の終わりに産声を上げたWebSig24/7も今年で10周年を迎えます。気づいてみれば運営チームであるモデレーターメンバーの変遷と共に自分も年齢を重ね、いつのまにかメンバー最高齢に。最年少とは20歳の開きがあるという非常に珍しいコミュニティとなりました。


こんな日だから、というわけではないのですが、コミュニティの価値について改めて考えています。

10年前と言えば日本でmixiが始まり(しかも当時のmixiには確固たるビジネスモデルがなく、エンスーがデジハリお茶の水校で真剣にビジネスを考えるなんて出来事も)そのちょっと前にorkutのWebLaborsなんてコミュニティも盛り上がり、よくわからないけど何かが来る予感に意気上がってたのは転職してきた新参者の自分だけでなかったと思います。
個人的には本来同じ市場を取り合うはずの同業者が技能やノウハウを分け合うことに大きなショックと興奮を隠せませんでした。

僕はインディミュージックが好きなのですが、メインストリームではない音楽シーンの相互扶助的な生態系が、ビジネスの世界でも成り立つのだということ、この業界だけで生きてきた人にとっては何の不思議もないかもしれませんが、これは特殊なことです。

物理的な近所の付き合いだけでなく、オンラインを通じた世界の広がり、またオープンソースやさまざまなコラボレーションなど、"汚い大人の社会"では想像できないことが起こるのがこの業界の良いところです。

WebSig24/7がここまで来た道のりはその「仲間同志が作る世界の魅力」に従ってきた道のりだと思っています。少なくとも僕個人はその狂騒と興奮に突き動かされてここまできました。

でもその反面、自分のこの世界は特別なのかもしれない、この居心地の良さはいつか無くなってしまうものかもしれない。実は「いつかくる終わり」を覚悟しながらこのコミュニティの活動を続けてきていました。

コミュニティと呼ばれる場所の価値は普段感じることのできないものです。
人間社会も規模が大きくなると細分化し、独自の個性を育んでいきます。この業界のコミュニティですら、その例にもれません。
今やたくさんのコミュニティが生まれ、またコワーキングスペースなどの新しいコミュニティの概念などもそれを後押ししています。

そのように細分化している今だからこそ、WebSig24/7というコミュティの価値は、相互扶助の精神を継承していくような、迷ったり何かあった時に立ち戻れる場所として機能できるのがよいのではないだろうか、と。

3年前の今日、大きな地震がありました。今でもあの時の不安さを思い出すことがあります。SNSの価値を知ると同時に、不安な自分を正当化するためにやたらと攻撃的になってしまったり、デマで要らない心の消耗をしてしまう友人が不憫に思えました。

平時でないといえばそれまでですが、そうした際にも頼れるコミュニティってなんだろうか?災害時に必要とされるコミュニティと、業界のためのコミュニティ。定義は別なのですが、もしかしたら協会のような組織しれないですし、日本イラストレーション協会のようなギルドや失職した際の保険互助会のようなものなのかもしれない。そんなものが必要なのではないか、と思い始めています。

とりとめないですが、他ができることは他に任せて自分たちではやらない、歴史が長い自分達だからこそできることをやる、そんなことを考えながら、11年目に向けて活動を続けてきたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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