御礼レポート~WebSig1日学校2012報告:未来について"温故知新"で考えた1日
モデレーターの馮です。こんにちは。
今年で3回目となるWebSig1日学校が閉校してまもなく1ヵ月が経過しようとしています。ここで改めて当日の模様について、写真を中心にお伝えします。写真を撮影してくださったのは,WebSig1日学校2012サポーターのフォトグラファー小野田弥恵さんです。
なお、先生方からのメッセージや参加者のブログ、協力メディアによるレポート一覧については以下終了報告・フォローアップページにまとめてありますので、併せてご覧ください。
WebSig1日学校2012 終了報告・フォローアップページ
http://1ds.websig247.jp/2012/close.html
3回目となるWebSig1日学校、テーマは"温故知新"
2012年10月6日、初秋の爽やかな風が吹く秋晴れの中、八王子にあるデジタルハリウッド大学八王子制作スタジオ(旧三本松小学校)にて、3回目のWebSig1日学校が開校しました。
WebSig1日学校の元々のコンセプトはおとなになってから改めて「学び」を体験すること。そのコンセプトに合わせて、小学校だった場所を使ったイベントとして開催されています。
小学校というシチュエーションを活かし、「学び」「出会い」「楽しむ」など、参加者がそれぞれの気持ちを体感できる空間設計を目指しました。
開校挨拶、そして今年のテーマについて
まず、体育館にて朝の挨拶、開校が行われました。
開校の挨拶を務めるのは、WebSig24/7の代表でもあり、WebSig1日学校の校長の和田さん。
和田校長は「過去2回、"考える""考えぬく"というテーマで開催してきた中、今回はどういったコンセプトにするか悩みました。その中で、3回目となる今回は、より本質論に迫り、フォーカスしたいという思いから、"温故知新"をテーマに設定し、第2回より各クラスも減らしてよりコンセプトを各クラスで深めることにしました。」と、開校の背景、今回目指す部分についてコメントしました。
また、このあとの各授業の前段として、"温故知新"の位置付け、具体的な考え方の1つとして『70年サイクル説』などを紹介したり、『WIRED』で取り上げられた"The web is dead"を引用しながら開校の挨拶を締めくくりました。
共通授業:帝国とノマド
1時間目は参加者全員のための共通授業が用意されました。先生を務めたのは、ジャーナリストの佐々木俊尚さん。
"帝国とノマド"というインパクトのあるタイトルとともに、
- 社会構造全体のプラットフォーム化
- 個々人の希少性の活かし方
- 水平分離のビジネス構造への対応
などを1つ1つ取り上げながら、これからの社会の在り方、私たちの働き方について問題提起をし、難しい問題の中での個人としての行動の重要性を訴えました。
楽しい昼休み、そして各クラスの授業へ
共通授業の後は昼休みとなり、参加者同士の楽しいランチタイム。皆、お弁当を片手に、思い思いの場所でランチを楽しみました。
ランチの後は、
- 生活・社会
- ものづくり
- ビジネス
の3クラスに分かれて、各先生方の授業が行われています。
生活・社会クラス
このクラスは、
- 東浩紀さん(ゲンロン代表取締役)
- 林千晶さん(株式会社ロフトワーク 代表取締役)
- 荒井尚英さん(株式会社パンアジアパートナーズ)
の3名による授業でした。
これまでのWebSig1日学校、そしてWebSig会議と比較しても、最も広い、そして、専門性より一般性の強いクラスだったのではないかと思います。その中で、「インターネット時代の空気について」「"個"と"Co"を考えるワークショップ」「アジア出稼ぎ生活者から見た日本と世界」というタイトルの授業で三者三様の授業ではありながらも、インターネット/Web時代における生活と社会を、当事者として捉えられる内容になっていたと思います。
私たち、創る側の人間が、使ってもらう側の人間にどうアプローチするかだけではなく、自分たちも使う側の人間の一人であることが大切だということを改めて認識できた3コマでした。
ものづくりクラス
ものづくりクラスには、デザイン・クリエティブの観点から3名の先生をお招きしました。
- 中川直樹さん(株式会社アンティー・ファクトリー 代表取締役/アートディレクター)
- 福田敏也さん(777interactive)
- 朴正義さん(株式会社バスキュール代表取締役)
皆、デザインやクリエイティブに関してさまざまな実績をお持ちの方々が、自身の経験を踏まえながら、「ものづくりとは?」というテーマでお話されました。中川さんは「デザイン思考のアウトプット」というタイトルで、これからのWebデザイナーが意識すべきポイントを、福田さんは「テクノロジーとドラえもんの間」と題したセッションで、欲求から生まれてくるモノ、時代の「リアル」との向き合い方を、朴さんは「誰のためにつくるのか? ―ものづくりの原動力」というテーマで、自身の経験を踏まえて、どこにモチベーションをおきながら12年にわたる制作活動を続けてきたのか、この先どこに向かおうとしているのかについて熱く語りました。
ビジネスクラス
ビジネスクラスは、おもにマーケティングであったり広告であったり、消費であったり、仕事の先にあるビジネスをテーマにした授業が用意されました。
- 鈴木由歌利さん(株式会社JOYWOW代表取締役社長)
- 藤川真一さん(F's Garage/モバツイ開発者)
- 中川淳一郎さん(編集者)
「売る理由ではなく、買う理由から、全体を見直してみる!」というマーケティングの王道を行くテーマで消費者の意識を取り上げた鈴木さん、エンジニアの視点と起業経験を交えながら、「クラウド、プラットフォーム、ITで生きる。えふしん流サバイブ術」というタイトルでこれからの働き方・生き方について提示した藤川さん、「江戸、昭和、最近 買ってもらうための情報伝達法の変遷」という内容とともに、ネットの情報配信者になれる時代の"情報"の意味について語った中川さんと、それぞれの視点から、インターネット時代のビジネスについて考察が行われました。
合同授業:ワールドカフェで考えるメルマガ
各クラスの授業を終えた後は、再び全員が体育館に集合し、合同授業が行われました。WebSig24/7の大きな特徴の1つとして、"参加型であること"が挙げられるのですが,合同授業はこの特徴を体現したものになります。
今回のWebSig1日学校は、ワールドカフェの形式で「有料メルマガ」をテーマにディスカッションや意見交換、交流が図られました。
新体験!オトナの放課後
朝10時から夜6時半まで、みっちりと勉強をした後は、お楽しみの"オトナの"放課後が開催されました。ここは子どもとは違ってアルコールも入ります。
awabarさんからご提供いただいたスパークリングワイン。
先生、生徒、スタッフ、全員が一緒の場に集まり、今日一日の振り返り、明日からの一歩について、もちろん、もっと身近な話題など、思い思いの話を広げ、この場でのつながりをさらに広げました。
また、最後にはプレゼント大会が開催され、Nexus 7やLINEぬいぐるみなど、ホットな景品がプレゼントされました。
学びを体験し、学びを楽しむ
こうして3回目を迎えたWebSig1日学校は閉校しました。今回のテーマである"温故知新"がどのように伝わったのか、主催者側としてはたいへん気になるところでもあります。すでにたくさんの方に感想ブログなどを書いていただいております。また、嬉しいアンケートもたくさんいただきました。
WebSig1日学校実行委員会、そしてWebSig24/7では、そうした皆さまの声を聞きながら、これからも自分たちでやってみたいこと・みんなと一緒に考えたいこと・やりたいことを取り上げながら、次の場を提供していきたいと考えています。
もちろん、来年もWebSig1日学校を開催したいと思いますので、今年ご参加いただいた方も、ご参加いただけなかった方も、来年お会いしましょう!
■おまけ■
